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東京地方裁判所 平成4年(ワ)6083号 判決

原告

朝日啓子

原告訴訟代理人弁護士

高山征治郎

東松文雄

亀井美智子

中島章智

野島正

枝野幸男

被告

株式会社はまゆう企画

右代表者代表取締役

木佐貫千代

被告

木佐貫千代

被告ら訴訟代理人弁護士

山本真一

城台哲

主文

一  被告株式会社はまゆう企画は、原告に対し、金四二〇万円及びこれに対する平成四年三月六日から支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。

二  被告木佐貫千代は、原告に対し、金三七〇万円及びこれに対する平成三年七月三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  原告のその余の請求を棄却する。

四  訴訟費用は被告らの負担とする。

五  この判決は原告勝訴部分に限り仮に執行することができる。

事実及び理由

(略称)以下においては、被告株式会社はまゆう企画を「被告会社」、被告会社代表取締役木佐貫千代を「被告千代」、訴外朝日通夫を「訴外通夫」、訴外木佐貫茂を「訴外茂」、株式会社東名小山カントリー倶楽部を「訴外会社」、訴外会社の経営するゴルフクラブを「本件ゴルフクラブ」、本件ゴルフクラブの会員権を「本件会員権」、原告が被告会社から本件会員権を金四二〇万円で購入する契約を「本件売買契約」、訪問販売等に関する法律を「訪問販売法」、本件売買契約の解除(クーリングオフ)を「本件解除」と略称する。

第一  請求

一  主文第一項と同じ。

二  被告木佐貫千代は、原告に対し、金三九〇万円及びこれに対する平成三年七月三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

一  本件は、被告会社から、ゴルフ会員権を購入した原告が、被告会社に対し、訪問販売法に基づいて右売買契約を解除(クーリングオフ)したとして支払済みの代金四二〇万円の返還を求め、さらに、被告千代に対し、被告千代がゴルフ場の会員数について事実に反する説明をして勧誘したとして、不法行為に基づきゴルフ会員権の購入代金と現在の価格との差額の賠償を求めている事案である。

二  前提となる事実

1  本件ゴルフクラブの開場の経緯、状況

(一) 訴外会社は、静岡県駿東郡小山町竹之下新柴地区にゴルフ場「富士足柄カントリークラブ」を開設するために、「株式会社富士足柄カントリークラブ」を当初の商号として、拓植安邦が代表取締役となり、昭和四七年一一月四日に設立された。しかし、ゴルフ場の建設が行き詰まり、代表者が転々とし、訴外会社の商号及び建設予定のゴルフ場名も「桜富士ゴルフ倶楽部」、「東箱根カントリー倶楽部」と変遷した。

昭和五六年一月一七日、いわゆる茨城カントリークラブの会員権乱売事件で刑事公判中の被告人水野健の実弟である荒井靖が、訴外会社の代表取締役に就任し、商号を現商号に変更し、同年、当初の予定よりも大きく遅れてゴルフ場の建設に着工し、平成元年七月、当初の完成予定より大幅に遅れながらも完成するに至った。その後、訴外会社は、株式会社ゴルフサービスに対し、本件ゴルフクラブの経営を委託し、右ゴルフサービスは、同年八月、「ギャッビイゴルフクラブ」の名称でゴルフ場の営業を開始した。

訴外会社は、昭和四七年に設立された頃から平成元年にゴルフ場の営業が開始されるまでの間、代表者が次々交替していくうち、会員権を大量に発行してきた。本件ゴルフクラブの会員数については、確定的な数は不明であるが、一万五〇〇〇人を相当数超えているものと認めることができ、さらに、警視庁特別捜査本部の調べによるとして会員数が四万四〇〇〇人に上るという朝日、読売及び日本経済新聞の新聞報道もなされている(以上の事実につき、甲六、七、四三、四七、五九、六六、乙三)。

(二) 平成元年八月の本件ゴルフクラブのオープン後、訴外会社の会員権の大量販売によって、会員からプレーができないとの苦情が続出し、同年一一月には、会員らにより被害者の会が結成され、同年一二月、会員名簿等の検証を求める証拠保全の申立に対して、その申立を相当とする静岡地裁沼津支部の証拠保全決定が出され、さらに、右被害者の会は、平成二年一月に訴外会社を刑事告訴し、同年七月に静岡地裁沼津支部に訴外会社の計算書類閲覧等請求訴訟を提起した。平成元年九月から平成二年七月頃にかけて、これらの事実及び本件ゴルフクラブの会員が数万人に上っている旨の記事が、ゴルフ雑誌のみならず、週刊誌、朝日、読売、毎日等の新聞にかなり頻繁に掲載された(甲九から一四まで、一六から二三まで、二七から三五まで、四九から五四まで)。

2  本件売買契約締結の経緯

(一) 被告会社は、ゴルフ会員権の販売等を業とする株式会社であり、昭和五七年に設立された。被告千代は、被告会社の代表取締役である(争いがない)。

(二) 被告会社は、昭和六三年ころ、本件会員権を販売をするようになり、これまで約五〇人から六〇人に販売した。平成二年当時、本件会員権の売買は月三、四口程度であった(被告本人尋問)。

(三) 被告千代は、平成二年一〇月ころ、原告の夫である訴外通夫の勤務先を訪ねて、訴外通夫にパンフレット(乙一九)を見せ、本件会員権の購入を勧めた(争いがない)。

(四) 同年一一月二三日、原告及び訴外通夫、両名の息子と被告千代の夫の訴外茂は、本件ゴルフクラブでいわゆる視察プレーを行った(争いがない)。

(五) 同年一一月二五日頃、原告と訴外通夫は、新宿の喫茶店で被告千代と会い、被告千代から本件会員権の購入を再び勧められ、入会申込書を作成した。同年一二月一三日、訴外通夫の勤務先において、訴外通夫は原告の代理人として訴外茂が代理する被告会社との間で、本件売買契約を締結し、申込金一〇万円を支払った(以上につき、甲三、乙一、証人朝日通男、被告本人尋問)。

(六) 被告会社は、本件売買契約の申込時及び締結時のいずれにおいても、訪問販売法四条、五条所定の書面を交付しなかった(争いがない)。

(七) 被告会社は、平成三年一月三日の予約を取った上、ビジター料金との差額を被告会社が負担して、右同日、原告を含む原告の家族三人を、本件ゴルフクラブにおいてメンバー料金でプレーさせた(争いがない)。

(八) 同年七月、訴外通夫は、被告会社に対し、本件会員権の残代金四一〇万円を振込み入金し、同年七月二九日、原告の本件ゴルフクラブ会員登録がなされた。原告の家族は、登録前の六月二五日、登録後の八月二三日を含め、本件売買契約締結後、本件ゴルフクラブで二、三回プレーしているが、いずれも被告千代が原告の希望日とは別に予約した日にちであり、原告の希望する日を指定して予約の依頼をしても希望日は取れない状態であったことが認められる(以上につき、甲一、甲二、乙一六の二、三、証人朝日通夫、原告本人尋問)。

(九) 平成四年三月五日、原告は、訪問販売法六条に基づき、本件売買契約を解除(クーリングオフ)する旨の通知をした(争いがない)。

(一〇) 本件会員権の現在の相場は、甲五八、乙二一、証人朝日通夫の証言を総合すると、五〇万円であると認めるのが相当である。

三  争点

1  原告の本件解除は、権利濫用にあたるか。

2  本件会員権を原告に売却する際の被告千代の勧誘行為が、不法行為にあたるか。

四  争点に対する当事者の主張

1  争点1について

(被告)

原告の解除権の行使は権利濫用にあたる。

訪問販売法のクーリングオフの制度は、訪問販売や通信販売などで消費者が業者の甘言に乗せられたりして、前後の事情もよく考えずに衝動的に商品等を購入した場合に生じる消費者の損害を防止しようとするものである。

本件では、①原告は、平成二年一二月に一〇万円、平成三年七月に残金四一〇万円の計四二〇万円の代金を支払済みであり、一方、原告の本件ゴルフクラブへの入会も、平成三年七月に登録済みである。②本件会員権購入の勧誘後、代金の完済及び登録に至るまで九ケ月を経ており、しかも、原告はその間数回本件ゴルフクラブへ行ってゴルフをし、本件ゴルフクラブの内容を確かめている。③原告の本件解除は、平成四年三月になされており、平成二年一二月の契約成立、一〇万円の支払いの時期からは一年四ケ月、平成三年七月の残金の支払い及び会員登録の時期からも八ケ月の期間が経過してなされたものである。④原告は、本件会員権を投機目的で購入したのであって、プレーをする目的ではなく、本件売買契約を解除したのも、本件会員権の値段が大幅に下がったからである。

よって、①、②、③、④の事実によれば、原告が現地も見ずに被告の甘言に騙されたとか、衝動的に本件売買契約を締結した事情ではないので、原告に訪問販売法の保護を与える必要はなく、原告の同法に基づく解除権の行使は権利濫用にあたり許されない。

(原告)

①、②、③の事実は認めるが、④の事実は否認する。原告は、本件会員権をプレーをするのが主目的で購入したものである。

本件において、クーリングオフ期間が起算されなかったのは、被告会社自らが訪問販売法に違反して、同法所定の書面を原告に交付しなかったためであり、原告は、原告訴訟代理人に相談するまで、クーリングオフが可能であることを知らなかったのであるから、被告会社がクーリングオフを甘受すべきは当然であり、本件解除は権利濫用にあたらない。

2  争点2について

(原告)

被告千代はゴルフ会員権の販売業者である被告会社の代表取締役として、本件ゴルフクラブの会員数が数万人に達していることを知りながら、原告に対し、本件ゴルフクラブの会員数を約四五〇〇名であると説明した故意により、あるいは、二の1(二)にあるような事情があるのに、会員数を確認すべき注意義務を怠って合理的な根拠もなく漫然と本件ゴルフクラブの会員数を四五〇〇名であると説明した過失によって、原告をしてその旨誤信させ、実質的にプレーすることが困難な状態であった本件会員権を、金四二〇万円という高額な値段で購入せしめた。

本件会員権の名義書換後の相場は、三〇万円前後であり、原告は被告千代の右不法行為によって、三九〇万円の損害を被った。

(被告)

① 会員数を正確に把握する方法は現行法上存在せず、正確な実数を知ることはできない。被告千代は、ゴルフ場職員のコメントを信じ、原告に対し、何度も「会員数は、企業秘密に属する事項なので実会員数は自分達にもよくわからない。」「川北氏のコメントによれば四五〇〇名から五〇〇〇名である。」と説明していた。従って、仮に本件ゴルフクラブの会員数が報道されているように四万四〇〇〇人もの多数に及んでいたとしても、被告千代は右事情を全く知らず、また、これを知る方法も存在しなかったのであるから、原告を欺罔し、本件会員権を購入させるとの意図で虚偽の事実を述べたわけではない。

② 本件ゴルフクラブの会員数の多いことは、社会的には、ゴルフ場専門雑誌などで相当程度知られていたのであり、又、関東周辺で相場が低価格であるゴルフ場ではどこでも会員数が多数存在するのが実情である。原告は具体的数字はともかくこの点を十分理解して本件会員権を購入したのであって、被告には何ら注意義務違反はない。

③ 被告千代は、プレーの予約をとりづらい諸事情を原告に最初から十分説明した上、本件売買契約締結後も、被告千代の方で予約日をとり、原告らが確実にプレーできるよう取り計らっていたのであり、原告がプレーできなかったという事実はない。

④ 四二〇万円という販売価格は、平成二年当時の相場からは妥当な値段であり、高額な値段ではない。

第三  争点についての判断

一  争点一について

(一) 本件売買契約は、第二の二の2で認定したとおり、被告会社の営業所等以外の場所において締結されたものであって、その目的物たる本件会員権は、訪問販売法二条三項、同法施行令二条二項、別表第二の一号により「指定権利」にあたることから、その販売は同法二条一項にいう「訪問販売」に該当する。そして、原告は、被告会社から同法四条、五条所定のクーリングオフの存在及びその行使方法について記載された書面の交付を受けておらず、同法六条のクーリングオフの権利を行い得なくなる日の起算点がないことになるから、原告は、同法六条による解除権を行使しうるが、被告は、本件において、原告の解除権の行使は権利濫用にあたり許されないと主張するので、この点について判断する。

(二)  原告主張の①、②、③の事実は争いがない。

しかしながら、①の契約の履行が終了したことをもって訪問販売法の解除権を制限することができないことは、昭和六三年の訪問販売法の改正の経緯から明らかである。

②の事実についていうと、確かに本件売買契約の申込から会員登録に至るまで八ケ月間経過し、解除権の行使まで更に七ケ月経過しており、しかも、その間、原告の家族は数回本件ゴルフクラブに行きプレーをしていることから、訪問販売法が本件のごとき場合も本来保護しようとしたものであるかは疑問の余地がないではないが、この点のみをもって、原告の本件解除を権利濫用にあたると評価することはできない。

また、本件において、クーリングオフ期間が起算されないのは、そもそも被告会社が、刑事罰をも規定してその交付を義務付けている訪問販売法四条、五条所定の書面(この中には、クーリングオフできること自体の記載も要求されている。)を原告に交付しなかった(争いがない)という被告側の落度によるものであって、原告の本件解除の時期が、契約あるいはその履行が終了したのち長期間を経過した後になされたこと自体には、原告の責めに帰すべき事由はないので、③の事実は権利濫用の主張の根拠とはなりえないものである。

原告主張の④の事実についていうと、原告は、本件会員権を家族でゴルフのプレーをすることを主たる目的として購入したものと認められるのであって(原告本人尋問、被告本人尋問)、原告が本件会員権の値段が下がったことから、被告会社の手続き上のミスを奇貨として本件契約を解除したものとは認められない。

以上の事実によれば、原告による本件解除が信義に反し、権利濫用にあたるとまでいうことはできない。

二  争点二について

(一)ゴルフ会員権を購入した会員の本質的な権利は、ゴルフ場の施設を優先的、継続的に利用してプレーすることができるところにある。この会員の権利が確保されるためには、当該施設の規模に応じて会員数が一定の範囲内に止まることが必要であり、従って、ゴルフ場の会員数は、会員の利用権の面でも、また、それがゴルフ会員権の相場を決定する基本的要素になることからゴルフ会員権を売買するにあたっても重要な事項であることはいうまでもない。

本件ゴルフクラブの会員数は、第二の二の1(一)で認定したとおり、一万五〇〇〇人を相当数超えており、四万四〇〇〇人に上る可能性もある。ところで、甲五六によるとき、平成三年度における全国のゴルフ場の調査結果では本件ゴルフクラブと同一の一八ホールのゴルフ場の平均会員数が一四七九人であることを認めることができ、この事実及び本件弁論の全趣旨によると、本件ゴルフクラブの規模で一万五〇〇〇人以上の会員数が存することは、会員の本件ゴルフクラブの優先的利用権の行使を著しく害するものであり、ひいてはそれが世間に周知されれば、本件会員権の価格相場を暴落させるに十分な事実であったということができる。

確かにゴルフ場の会員数については、ゴルフ場が明らかにしない限り、ゴルフ場会社外の者が、その数を正確に知る方法はないところ、本件では、訴外会社が現在に至るも、会員数を明らかにしないのであるから(争いがない)被告千代が本件ゴルフクラブの会員数が数万人いることを確定的に知っていたと認めることはできない。しかしながら、被告会社は、昭和五七年に設立された会員権販売業者であり、ゴルフ関係の新聞、雑誌を見る機会も多く、本件ゴルフクラブの会員権についても昭和六三年頃から多数売買しており、本件ゴルフクラブ設立の経緯や適正な会員数を遥かに超えていないか等の情報を知り得る立場にあったこと、第二の二の1(二)で述べたように、本件売買契約前に、本件ゴルフクラブの会員数について数万人との報道が多数され社会問題化していたこと、加えて、本件会員権をすでに五〇人から六〇人に販売していたことからすれば、被告千代は、本件売買契約当時、本件ゴルフクラブの会員数について、数万人にのぼるとして問題になっていたことは知っていたか、少なくとも知りうべき立場にあったものと認められる。

本件における被告千代の説明の内容について、訴外通夫は「会員数について、約六〇〇〇名程度であるが、実際に年会費を払っている会員は、四〇〇〇名程度である。」と説明したと供述し、被告千代は、「会員数は、四五〇〇名から五〇〇〇名程度であるというように聞いている。」旨説明したと供述しており、少なくとも、四〇〇〇名から六〇〇〇名の間の数字を述べたことが認められる。被告千代は右の説明をした根拠として、乙三(週刊パーゴルフの記事)に訴外会社の登録事務に携わっていた川北の「(会員数が)最終的には四五〇〇名から五〇〇〇名の間で収まる。」との発言が載っていたこと、被告千代の夫、訴外茂が訴外会社に「(本件ゴルフクラブの会員数が)何万人もいるという噂ですが本当ですか。」と尋ねたところ、「五〇〇〇名以内である。」という返事をもらったことの二点をあげているが、前記認定事実の事情の下で、この程度の根拠に基づいて、被告千代が原告及び訴外通夫に前記の説明をすることは、ゴルフ会員権の売買契約を締結するに際してのゴルフ会員権販売業者としての注意義務に反したものということができる(なお、乙三の同じ記事中には「(本件ゴルフクラブの会員数は)少なくみても一万人は突破しているはずという噂が会員募集している営業マンの間から聞かれるようになった。」という部分もあり、この部分を無視して前記川北の発言部分のみを信ずるのは極めて安易というべきである。)。

なお、本件において第二の二の2(八)で認定したように、本件売買契約締結後、二、三回にわたって被告千代は原告らのために本件ゴルフクラブの予約を取り、原告らのプレーを可能にするなどの取り計らいをした事実はあるが、このことが被告千代の過失責任を免ずるものということはできないというべきである。

(二)  原告及び訴外通夫は、被告千代の話を信じ、被告千代がいう会員数であれば、早めに申込みすればプレーするのに支障がないとの認識を持ち、被告会社と本件ゴルフクラブの売買契約を締結したのであって、仮に会員数について、被告千代の認定の説明がなければ、本件会員権を買わなかったと認められる(証人朝日通夫、原告本人尋問)。

(三)  本件会員権の現在の相場は、第二の二の2(一〇)で認定したとおり五〇万円を相当とするところ、原告が被告会社に支払った四二〇万円との差額の三七〇万円は、被告千代の不法行為による損害と認めることができる。

三  まとめ

以上の次第であるから、原告の請求は、被告会社に対するものはすべて、被告千代に対するものは金三七〇万円及びこれに対する平成三年七月三日から支払済みまで年五分の割合による金員の支払いを求める限度において理由があるからこれを認容することとし、被告千代に対するその余の請求は失当であるから棄却し、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官菅原雄二 裁判官朝倉佳秀 裁判官大塚正之は転任のため署名、押印することができない。裁判長裁判官菅原雄二)

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